なんとなく、こっちに。
一日一日が、重たくなってくる。
彼女の命日が近づいてくるからです。
ここにこう書くのもどうかと思うけど、どうかと思うの「どうか」ってなんなのよ。
わからない。
昔、盆と正月と春休み、年に三回くらいしか会わないけど、その度によく遊んでくれて、大好きだった親戚の兄ちゃんがいて。
ホント面白くて、面倒みがよくて、オレはまだ本当に幼稚園くらいで小さかったけど、いっちょまえに記憶はあって、「いい人だな」と思ってました。
いい人だな…て(笑)
いや、兄弟居なかったし、小学校まで遊ぶ友達が近所にいなかったから。
大好きでしたよ。
でも、もう記憶曖昧なんですが、なかなかその人に会えなくなったのね。
オレも小学生になって友達増えて、遊べるとか遊べないとか、そんなに相手に飢えてなかったし。
興味も他のことに移ってってね。
だから、その人と会えなくても、なんとも思わず、寧ろ、お正月にその人の家に行くと、「居たら挨拶しなきゃ」とか「兄ちゃん大人になってて、多分遊んでくれないし気まずい」とか思ってたくらいで。
でも、その人、死んでたんです。
本当は死んでたの。
事故だっつーんだけどね。
詳しいこと、未だに親に聞いてないからわからない。
でも、その人11歳だったか12歳だったかで死んでたんです。
オレ、ずーーーーーーーーーーっと知らなかったんですよ。
20?くらいになって知ったから、えーと、最後に遊んだのが5歳としても、15年くらい知らなかったの。
兄ちゃん、どっか学校行って一人立ちして結婚して家を出てってんだろうと、そのくらいにしか思ってなかった。
興味ないもの。
小学校、中学校って成長して、オレ12の時にいきなり弟産まれたりして、バンドやって同人誌作って高校、専門学校、引っ越し、もうめまぐるしく青春過ぎるんですよ。
そんな中、ずっと忘れてたし、家に行くことあれば気にはしてたけど。
知らなかった。
知らなかったとか、本当にあり得ん。
「知らなかったの?」って言われたからね。
でも、彼の死は、親戚一同のタブーのようにもなっていて、誰もその話し口にしないようにしてたみたいです。
無力でしょ。
子供というのは。
大人が教えてくれないと、なんもわからんですよ。
いや、わかることもいっぱいあるけどね。
ん。
そんなつもりなかったのにすげー長くなった。
彼女の死を知った時、正月で。
彼女が亡くなったのは10月でした。
死んでたんだ。
知らなかった。
知らなかったんです。
またしても。
いい大人になっても、大事な大事な彼女のことを、遠くから当たり障りないように…撫でまわしてるだけだった。
って、こんなこと書いたら、彼女は悲しむだろうか。
真昼さん、そんなことないよっ
って、言うね、きっと。
でも、それは彼女が「生きて」たらだよ。
オレがどんなこと考えても、彼女は何も「思わない」。
もう、心がないんだ。
もう彼女はどこにもいないんだ。
夢の中で、シノブさんしか知らない、誰にも言ったことのない秘密を彼女には打ち明けていた。
朝起きて、ああ、オレ、あきちゃんにあの事話したいって思ってるんだな…って思った。
そうだよ。
秘密を彼女に打ち明けたいくらい、彼女のことを信頼してた。
それくらい、彼女に気を許していた。
あの時、話していれば良かった。
良かったかな?
わからないけれど。
もう話せない。
だって、彼女はいないから。